① 「1000万円の壁」とは何か?
投資情報収集で目にする言葉
投資を始めて情報収集をしていると、たまに「1000万円の壁」という単語を目にします。
この言葉は、「最初の1000万円までは時間がかかる。それを超えると資産形成は一気に加速する。」という意味で使われ、複利の効果を実感し始める壁として語られることもあります。
この記事では1000万円までとそれ以降についてシミュレーションし、本当に壁があるのかを解説します!
② シミュレーション:0円→1000万円 vs 1000万円以降はどう違う?
シミュレーション条件
今回は簡単のため、下記の条件でシミュレーションしています。
- 投資対象はS&P500
- 投資の入金力は100万円/年で固定
- S&P500の成長率は年平均10%(直近10年の平均)
- 簡単のため、投資タイミングは年初一括
シミュレーション結果
シミュレーション結果は下記の通り。
開始前の資産別に10年間投資を続けた場合の結果を表にしました。

表の黄色セルは投資開始から+1000万円を達成した年をマークしています。0円スタートでは7年目に+1000万円、1000万円スタートでは5年目に+1000万円を達成。0円と1000万円では+1000万円までに2年の差があり、期間は約29%短縮されています。
+1000万円になる期間が29%短縮されていれば複利の効果を実感せざるを得ませんね。(ちなみに500万円スタートでは+1000万円は6年目となり0円と1000万円の中間です。)
一方、2000万円では3年目に+1000万円、5000万円では2年目に+1000万円と複利の効果がかなり強いことがわかります。投資は元手の大きさがいかに大切かがよくわかりますね。
③ 1000万円を越えたあとの加速感を数値で解説
複利の本領発揮:増える金額が目に見えて大きくなる
先ほどのシミュレーションの結果から、投資開始時点の金額により複利の効果が全く異なることがわかりました。
下の表は、+1000万円達成時の資産に占める複利で増えた金額です。

この表から0円スタートでは+1000万円達成時の複利効果が約340万円であることに対し、1000万円スタートでは約780万円と倍以上になっています。実際に投資を続けてきたことから、2年という期間だけでなく金額面でも差を感じそうです。
④結論:「1000万円の壁」は幻想ではなく、理論的根拠がある
今回のシミュレーションではS&P500に10年間年初一括でつみたてたケースを開始資産額別で計算しました。+1000万円という切り口で見ると、0円スタートと1000万円スタートでは2年の差があり、期間では29%縮まることがわかりました。また+1000万円達成時の複利効果は0円スタートが約340万円、1000万円スタートが約780万円と倍以上になることがわかりました。
今回は+1000万円時点を比較しましたが、もちろん複利効果は金額ごとに連続的に増加するため、1000万円の壁突破前後で明確に違いを感じるわけではなく徐々に実感することになります。しかし、今回の切り口で投資効果が元手によって大きく異なることが再認識できたかと思います。
コメント