7月参院選と「選挙前株高アノマリー」:日本株は上昇するのか?

7月参院選と「選挙前株高アノマリー」: 日本株は上昇するのか? Uncategorized

7月参院選と「選挙前株高アノマリー」:日本株は上昇するのか?

いよいよ7月3日公示、7月20日投開票と発表され1ヶ月を切った参議院選挙。政治の動きは常に市場に影響を与えますが、日本の株式市場には古くから「選挙前は株が上がる」というアノマリーが存在することをご存知でしょうか?今回はこのアノマリーを深掘りし、その背景にある要因、そして現在の株価水準を踏まえた今後の相場の展望について解説します。

「選挙前株高アノマリー」とは?

日本の株式市場では、衆議院選挙や参議院選挙といった国政選挙の前に株価が上昇しやすいという経験則があります。これは単なる偶然なのでしょうか?

このアノマリーの背景には、主に以下のような要因が考えられます。

  • 政策期待による先行的な買い: 選挙前になると、各政党は様々な経済政策や成長戦略を公約として掲げます。市場は、これらの政策が経済にプラスに働くと期待し、先行して株を買い進める傾向があります。特に、景気刺激策や特定の産業に対する支援策などが具体的に示されると、関連銘柄が物色されやすくなります。
  • 与党勝利への期待: 一般的に、与党が選挙に勝利し、現行の政策が継続されることへの期待感も株価を押し上げる要因となります。政権の安定は、企業の事業計画や投資判断にもプラスに作用するためです。
  • 短期的な需給要因: 選挙というイベントを控えて、ヘッジファンドなどの短期的な資金が、上昇を期待して買いを入れてくるケースも考えられます。

もちろん、これはあくまで「アノマリー(経験則)」であり、常に当てはまるわけではありません。世界経済の動向、企業の業績、地政学リスクなど、他の様々な要因も株価に影響を与えるため、絶対的なものではないことを理解しておく必要があります。

現在の日本株価と7月参院選までの展望

現在(2025年6月末時点)の日本株は、日経平均が40,150円と4万円台を回復し、堅調な推移を見せています。これは3月から4月にかけて下落していた米国株式の回復およびそこからのS&P500最高値更新による影響と思われます。特に直近2週間ではイスラエルとイランの報復合戦が停戦し、中東リスクの収束を経て3万8000円台から一気に4万円台へと上昇しました。直近株高で上値が重いですが、日本では今年最大の投資イベントであることを考えるとさらなる上昇の可能性もあります。

このような状況下で7月の参院選を迎えるわけですが、「選挙前株高アノマリー」を考慮すると、以下のようなシナリオが考えられます。

  • 堅調な推移が続く可能性: 政策期待が高まるにつれて、引き続き株価が堅調に推移する可能性があります。特に、経済対策や成長戦略に関する具体的な発言や公約が注目されそうです。
  • 政策による物色対象の変化: 各党の公約によって、これまで注目されていなかったセクターや企業が脚光を浴びる可能性もあります。各党は地方やインフラへの投資や教育への投資を発表しており、関連銘柄の上昇も考えられます。また野党各党の消費税減税や与党の一律給付が実現すれば、国内消費が増加することも考えられます。
  • 結果次第では調整も: もちろん、選挙結果が市場の想定と異なる場合や、期待された政策が実現しないと判断された場合には、一時的に株価が調整する可能性も否定できません。
  • 波乱の選挙になる可能性: 今回は与党である自民公明党の両党の支持率が低く議席を減らすとの報道もあります。両党の単独過半数が実現しない場合、法案成立のため選挙後は野党との協力する必要があり、不安定な政治体制になると考えられています。また最近の小泉農相の活躍で支持率は若干回復しており、投票日が連休中日のため野党へ票が流れにくいことから、与党が有利とも言われますが、依然として過半数は厳しいと考えられており、不安定な政権へのリスクオフの可能性もあります。
  • 米国株高と関税交渉によるアノマリーの希薄化: 今の日本株は米国株との相関が強く、選挙アノマリーによる株価上昇効果が希薄でも米国株高や関税交渉次第では株高になる可能性も考えられます。

まとめ

日本の株式市場における「選挙前株高アノマリー」は、政策期待や与党勝利への期待といった心理的な要因が大きく影響しています。去年の衆院選では不発でしたが、今年の参院選に向けて足元の株価は上昇中です。日本の今年最大の投資イベントということもありますが、アノマリーはあくまで過去の傾向であり、未来を保証するものではありませんのでアノマリーにハマりすぎないようにしましょう。

7月の参議院選挙に向けては、各政党の公約や発言に注目しつつ、国内外の経済指標や企業業績など、マクロ・ミクロ両面から多角的に分析することが重要です。

投資は自己責任です。今回の記事が、皆さんの投資判断の一助となれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました