「セル・イン・メイ(Sell in May)」という相場格言は、5月から夏場にかけて株式市場が軟調になる傾向を指摘しています。しかし、すべてのセクターが一様に下落するわけではなく、セクターごとに異なる動きを見せることがあります。以下に、主要セクターの2024年5月と2025年5月の騰落率、要因、代表的な銘柄について詳しく解説します。
セクター別分析:2024年5月と2025年5月の騰落率、要因、代表的な銘柄
1. 電気機器(ハイテク・半導体)
- 2024年5月1ヶ月の騰落率:+6.36%
- 2025年初めから現在の騰落率:+9.8%
- 要因:生成AIやデータセンター需要の拡大が、先端半導体の需要を押し上げました。また、米国の利下げ観測もリスク選好を後押ししました。
- 代表的な銘柄:
- アドバンテスト(6857):半導体テスト装置で世界トップシェアを誇り、業績も堅調。
- 東京エレクトロン(8035):半導体製造装置の大手で、AI関連需要の恩恵を受けています。
2. 情報・通信業(ゲーム・エンタメ)
- 2024年5月1ヶ月の騰落率:+8.2%
- 2025年初めから現在の騰落率:+12.3%
- 要因:円安による海外収益の増加と、グローバルなエンタメ需要の高まりが背景にあります。
- 代表的な銘柄:
- 任天堂(7974):新作ゲームの好調な販売と海外展開の強化が評価されました。
- 東映アニメーション(4816):アニメ作品の海外配信拡大が追い風となりました。
3. 小売業(内需関連)
- 2024年5月1ヶ月の騰落率:+5.4%
- 2025年初めから現在の騰落率:+10.8%
- 要因:インバウンド需要の回復や消費マインドの改善が寄与しました。
- 代表的な銘柄:
- 三越伊勢丹ホールディングス(3099):インバウンド需要の回復と構造改革が評価されました。
- ゼンショーホールディングス(7550):多業態展開と業績の大幅増益見通しが注目されました。Deloitte United States
4. 銀行業(高配当株)
- 2024年5月1ヶ月の騰落率:+2.1%
- 2025年初めから現在の騰落率:+3.5%
- 要因:高配当利回りが投資家の関心を集め、安定した資金流入が見られました。特に、企業統治改革や株主還元の強化が追い風となりました。
- 代表的な銘柄:
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):配当利回りの高さと安定した業績で注目。
- 三井住友フィナンシャルグループ(8316):国内外の事業展開と堅実な経営が評価されています。楽天証券+1明治ホールディングス株式会社公式ホームページ+1
5. 鉄鋼業(景気敏感株)
- 2024年5月1ヶ月の騰落率:-1.2%
- 2025年初めから現在の騰落率:-0.8%
- 要因:中国経済の減速や建設需要の低迷が影響しました。また、原材料価格の変動も業績に影響を与えました。
- 代表的な銘柄:
- 日本製鉄(5401):国内外の需要動向に敏感で、業績の変動が大きい。
- JFEホールディングス(5411):建設・造船向けの需要に依存しており、景気動向の影響を受けやすい。
まとめ
✅️5月は「セル・イン・メイ」と言われるように、株式市場が軟調になる傾向がありますが、セクターごとに異なる動きを見せることがあります。特に、電気機器や情報・通信業、小売業などは堅調な動きを見せました。一方で、鉄鋼業などの景気敏感株は下落傾向が見られました。
✅️投資家は、セクターごとの動向を注視し、適切なポートフォリオの構築を心がけることが重要です。
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